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荷物を減らすと、街への依存が見えてくる
身軽な海外旅行を、グラム数だけでなく現地調達・洗濯・電源への依存から設計する。
荷物を減らして、海外を歩いてみたい。服は速乾のものを洗って回し、石鹸は現地で買う。そうやって一つずつ外していると、ふと思う。持っていかないものは、本当に不要になったんだろうか。
水筒やKindle、メモは残したい。その一方で、宿に泊まるなら寝具は要らない。これは単にグラムを削っているというより、機能を自分のバッグから街へ移しているのではないか。
街を、外部サービスとして見る
エンジニアリングのアナロジーなら、持参する道具がローカルに持つ機能で、宿や店が外部サービスだ。荷物が軽くなる代わりに、営業時間、決済、言語、そこまでの距離に依存する。
| 機能 | バッグに残すもの | 外へ移す場合の依存 |
|---|---|---|
| 飲み水 | 容器と一定量の水 | 給水場所、購入場所、営業 |
| 洗濯 | 着替えや洗濯道具 | 宿の設備、乾燥時間 |
| 電源 | 充電器、予備電源 | コンセント、滞在時間 |
| 読書・記録 | Kindle、紙、ペン | スマホの電池と画面 |
ただし、街の店は呼べば必ず応答するAPIではないし、店へ行くこと自体が面白いこともある。この「依存」は欠点というより、旅の構成要素だ。
持つか、現地で補うかを式にする
以下は製品評価ではなく、選択を整理するための独自モデル。
道具 を持つかを 、重量を kg、旅の間に必要になる回数の期待値を とする。持たない場合、一回の調達に 分、確率 で調達に失敗し、その追加負担が 分相当になると仮定する。
は、この旅で重量1kgを持つ負担を分相当に換算する係数。測定値ではなく自分の選好を含む。購入費や、調達の楽しさはまず省いている。
道具同士が独立なら、
のとき持参したほうが、このモデル上の負担は小さい。逆に、共有できる充電器や、同じ店でまとめて買える物では独立性が崩れ、まとめて比較する必要がある。
これなら「使う頻度が低いから削る」だけでは決まらない。軽くて、手に入らなかったときの影響が大きいものは残る。
水筒は、補給間隔を買っている
容器だけを軽くしても、水500mLは概算で約500gある。水の密度を約1kg/Lとした計算だ。
一定の消費量を L/時、次の補給までを 時間と仮定すると、必要量は Lになる。ここでは飲水量の推奨をしているのではなく、単位をそろえて関係を見ている。
補給点の間隔が二倍になれば、同じ では必要な水の重量も二倍になる。容器を数十g削るより、いつ補給できるかのほうが携行重量を大きく動かす場面がありそうだ。
ただ、平均的な間隔だけを見ていると休業を取りこぼす。店の利用可否は天候や停電で同時に変わることもある。「予備の店が二軒あるから安心」と独立に数えるモデルでは足りない。
軽さと管理の少なさを分けて測りたい
まずは、同じ程度の街歩きで荷物を変え、重量、探し物の回数、調達に使った時間、夕方の余力を記録してみたい。重さがほとんど変わらなくても、出し入れが減って楽になるなら、 に道具の管理コストを足す必要がある。
反対に、現地調達の時間が旅の楽しさになっているなら、それを一律に損失として扱ったモデルを直す。足りない係数を測るだけでなく、目的関数そのものを疑いたい。
この装備で海外の長距離徒歩旅を終えたわけではない。今あるのは、持たないことを選ぶための設計案だ。小さなバッグの中身を考えると、バッグの外で自分を支えるものが見えてくる。
Sources
- 外部の製品資料や旅行者の実績に基づく比較ではない。筆者の装備構想と設計上の考察。
- 水の重量は密度を約1g/mLと置いた概算。装備重量と旅の成果は未実測。
- 作成日:2026-09-16 JST。
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